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「わては歴史から学べるで!」と過信するな、バカは黙って経験しろ

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対象読者

  • Webエンジニアになりたい素人
  • 強い言葉で放つ独断と偏見まみれの僕の言葉回しと駄文に怒らない人

お前ら勘違いしすぎ

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

かの昔、ドイツ宰相のビスマルクがいった言葉らしい。もう原文・原語からは解釈の分岐が激しすぎて本来伝えたかったことはなんだったのか曖昧だが。なので「僕個人の解釈」でこの言葉をよく使う。特にエンジニアになりたい人たちに対して。なぜならここの認識度によって学習成長速度が段違いで変わるので。エンジニアになる前もなった後も。
で、「僕個人の解釈」としては「抽象から具象に落とし込める人=賢者、それ以外=愚者」と定義している。ここまで聞くと、みんな勘違いして自分のことを「賢者」だと思う人多いけど、実際僕は人生で「賢者」に出会ったことが数えるほどしかない。まあちょっと話が抽象的過ぎるので、もう少し言語化してみる。

いやー何言ってるかわからない。

って思ってるアナタ、安心してください。アナタは「愚者」です。そして、「んー私はなんとなく言いたいことわかるよ?」って言ってるアナタ、めでたくアナタも「愚者」です。(ちなみに僕も残念ながら愚者です。)
僕は、再度いうが「抽象から具象に落とし込める人=賢者、それ以外=愚者」と位置付けており、原則人間は、学ぶ対象のスコープが大きければ大きいほど、具象的な事例を積み重ねることでしか知識を獲得できない。これは中学数学とか思い出すとハッと気づいてしまうと思う。例えば「平方根」。はい?なんでしたっけ?って人が多いと思うけどこれは「2乗してaになるような数のaに対する称」であり「√2」みたいなやつだ。どう、思い出した?僕もそんなことやったかもなぁ、って思いながらも、記憶はほぼない。

愚者と賢者の違い(私家版)

じゃあ先程の平方根の定義を見た第一印象を、「愚者」「賢者」「聖者(一番強いやつ)」にしゃべらせてみる

  • 愚者: これなんの意味があんの?だるくね?
  • 賢者: お!便利そうやな、使う場面調べてみよう、あ、面積の計算で使えるんだ、てことは土地の計算楽になりそう
  • 聖者: あ、土地の計算で使えそうですね(即答)

っていうことだ僕の解釈は。数学というのは最も抽象度の高い学問。数学という超抽象概念から経験則に落とし込める速度が早ければ早いほど愚者から賢者、果ては聖者になれるのだ。(聖者は所謂'天才'だから今回は説明省く)で、今回の例で言うと、愚者は多分自分の手で土地の計測をするまでは生涯平方根に出会うとこはないだろう。で、それが大多数の人間だし、アナタも大多数の人間の一人だなーってのが身に染みてわかったと思う。

Googleさんの力で、アナタは「賢者」になれる

で愚者と賢者のセリフを比べてみる

  • 「これなんの意味があんの?」
  • 「お!便利そうやな、使う場面調べてみよう」

とあるが、この違いは何か?というとわかりやすく言えば「興味」である。気づいた人も多いだろう、そう、どんな愚者でも、万物に興味さえ持てば、結果として賢者っぽい身振りができるんである。(※1)で、昔なら興味を持ったとしても「知識を持った人や知識が書かれた本を探し出し、その知識が間違っていないか検証し、その実例をいくつか探すために、体験した人何人かにヒアリングし、体験した人の自伝を探し出し…」と言うとんでもなく時間がかかる手法しかなかったが、今は「天下のGoogle様」がいる。なんと素晴らしいことか。関連キーワードさえググれば、使い方や応用例、使用者の感想、ありとあらゆる全世界の情報を瞬間的に取得できる。なので「万物に興味さえ持てば、賢者まではなれる」のである。

ゆーて「賢者」っぽい経験、結構あるぜ

その通り、身近なことであれば割と経験している。例えばキャンプでナイフを持っていったとしよう。ナイフを持っていたら「ねぎを刻む」こともできるし、「枝や草を切る」こともできる。「あー包丁ないから無理だわ」「あぁ、草刈機もノコギリもないので無理です」とはならないだろう。ナイフの「物を切る」という抽象特性を「ねぎ」「枝」「草」という具象にも当てはめられる。もしこれが「枝をナイフで切ってる」「ねぎをナイフで刻んでる」って場面を見たことがなくても、やり方を本で読んだことがなくても、誰でもできると思う。つまりこれは歴史から学んで経験に落とし込んでいると言う例になりそうだ。なぜナイフで色々なことができちゃうか、というと「ねぎ」「枝」「草」「ナイフ」「刻む」「切る」それらの言葉の周辺知識がわりかし備わってる、つまりわかってることが多いからである。前述において「学ぶ対象のスコープが大きければ大きいほど、具象的な事例を積み重ねることでしか知識を獲得できない」とあったが、今回の例はこれの逆で、「わかってることが多いから、学ぶ対象のスコープが小さい」のである。なので「別にナイフ使ったことなくても、包丁っぽいし野菜切れるべ。ノコギリみたく枝も切れるだろう」って思考になるのである。
察しのいいアナタならハッとしただろう、第2の賢者の道を。そう、いろんな知識が身につけば、学習スコープが徐々に狭まり、抽象概念も具象的な経験に落とし込むことができる。いわゆる「気づき」というのは、学びを深めれば深めるほど、増える。

結局この話、何が大事なん?

「ここの認識度によって学習成長速度が段違いで変わるので。」と前述したが、これなんで知っとくといいかっていうと、エンジニアリングは「抽象度と具象度の行ったり来たりを堪える作業」と言う一面が結構大きいからである。特に理系出身じゃない未経験エンジニアはこれに耐えられる力がなく、本当に的外れなことを言いがちである。

  • 生徒:「あれ、なんか前と言ってること違うんですけど(怒)」
  • 先生:「いや、まず前提も文脈も違うやん」
  • 生徒:「いやーでもだって〇〇はXXって言ってたでしょ!!!!(怒)」
  • 先生:「なるほど、じゃあ具体例をもとに説明しますか…」
  • 30分後
  • 生徒:「なるほど、わかりやすい!!!」

これ、先生が具体例をいっぱい出して、結局理解してるからいいけど、独り立ちしたらこれを全部自分で考えて自分で行動を決断せねばならんのだぞ…しかも、具体例を人からきいてる時点で超優秀人材ではないのは明らかだから、仕事は引く手数多ではない→生存戦略的に、いろんな業種のお客様と交流を持たないとダメなのは想像に難くないはず。てなると、業種業態、要件仕様、技術や人が変わるごとに「(怒)」で、生きていけます...?と、僕は思うのである。(※2)
まあでもここまでこの僕の駄文に付き合ってくれた。と言うことは読む体力と向上心、「興味」という 'エセ賢者になれる素質' は十二分にあるから安心して今後も勉学に励んでいただきたいと思う。

まとめ

  • 愚者は数学嫌い、だってなんの役にも立たないでしょ?
  • 賢者や愚者は数学面白い、だって万能じゃん?
  • 賢者は何かを理解するのめっちゃ早い
  • 愚者はいろんなことに興味を持とう、興味を持ったらググろう、そしたら賢者ぽくはなれる

所感

ちなみに「愚者」「賢者」って書き方、優劣があるように見えてすごい悪く見えるけど、別に特性の話でディスってるわけじゃないです。僕も愚者側の人間です。

注釈

  • (※1) 価値を正しく見出せる、価値の匂いを嗅ぎつけれるのが賢者なので、「賢者のフリ」とあえて言ってる
    ちなみに、機械的に興味を出す、とか方法論の話はまた今度…。
  • (※2) 昔は「思い上がるな!怒」ってこっちがキレそうになってたけど、僕も少しづつ賢者に近づきつつあるので「まぁ、こういう考え方してこないよね、こういう生き方してたら。じゃあこういう伝え方してみようか」と自分の感情を横においてその人に対する背景分析をできるようになった。こんな良い副作用もある。